内容説明
近代建築の巨匠が日本に遺したDNA。帝国ホテルや自由学園だけではない、ライトの建築哲学の真髄を受けついだ弟子たちによる日本各地の名建築を、オールカラーで一挙紹介!
目次
1 ライト式の住宅(山邑太左衛門別邸―屋根筋を別荘に変えたライトのスケッチ;萩原庫吉邸―先駆け“日本版ユーソニアン・ハウス”;近藤賢二別邸―湘南にあるプレイリースタイルの別荘;石原謙邸(現的場邸)―地元の材料を活かすのがライト式 ほか)
2 家具・照明器具に見るライト式
3 さまざまなライト式建築(帝国ホテル―ライトから日本へのささげもの;自由学園(現自由学園明日館)―校舎に群れる乙女たちは、木を飾る花
石川家納骨堂―有機的建築を最大に示す最小の建築
自由学園(現自由学園明日館)講堂―遠藤が到達したプレイリースタイル ほか)
著者等紹介
井上祐一[イノウエユウイチ]
1951年兵庫県生まれ。神奈川大学工学部建築学科卒業、工学院大学大学院工学研究科博士後期課程建築学専攻修了。建築家・建築史家、NPO法人有機的建築アーカイブ理事、神奈川大学非常勤講師。博士(工学)。一級建築士
小野吉彦[オノヨシヒコ]
1967年愛媛県生まれ。東京工芸大学工学部建築学科卒業。主に文化財建造物を撮影。写真家、小野吉彦建築写真事務所主宰、公益社団法人日本写真家協会(JPS)会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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よこたん
43
幾多の風雨、災害、戦火にも耐え、いまだその気高いまでの美しさを保つ建築物たち。フランク・ロイド・ライト=帝国ホテルの印象だが、独特な建築スタイルと建物への想いは弟子たちに受け継がれて、今もあり続ける。表紙の飴色に輝くホールのある、旧甲子園ホテルに足を踏み入れていた時期があって、とても懐かしかった。外観も中身も超個性的で、当時はちょっと仄暗さが怖かった思い出がある。ホテル、学校、個人の邸宅と、洋と和の雰囲気がまじりあう建物は、ライト式としか言いようがない。ライト式の家具と照明もモダンで素敵だった。2017/09/19
雪紫
32
再読。篠田真由美さんの「灰色の砦」のモチーフにもなった建築家ライトの建築を受け継いだ弟子達の作品集。インテリアや写真も素晴らしい(欲を言えば平面図も見たい)。再読でも思うけどやっぱり帝国ホテルやここに紹介された作品を生で見てみたいな。2020/06/13
なる
21
先日たまたまフロンク・ロイド・ライト展に行ったので、そういえばよく行くような場所にはライトとか関連する建築家が設計した場所が多いな、なんて軽い気持ちで手に取って見た本。弟子の遠藤新が設計した近藤邸に行ったばかりだったのもあって新鮮。だいたい個人邸宅は基本は入れないことが多いのでそこは残念だけれど。実写ドラマの岸辺露伴が仕事場にしている逗子の加地邸(宿泊施設として利用されている)も紹介されている。もちろんライト・遠藤コンビの自由学園もある。東久留米の方はまだ行ったことないんで、いつか機会があればね。2024/03/23
バニラ風味
17
フランク・ロイド・ライトとその弟子、関わった建築家たちが造った建物が、いわゆるライト式。この本は、その建物の豊富な写真に、詳細な解説がついています。有名な帝国ホテルに邸宅、教会、納骨堂などもあります。細部にいろいろなこだわりをもつその造形は、古くても美しく、見とれてしまいます。その写真の中には、もう現存しない建物もあるとか。私はやはり、明日館が好き。また、見学に行きたくなりました。
kumako
14
写真を眺めていて飽きない、まだまだ私が発見していない面白い箇所がありそうなライトの建築に魅力を感じます。一見どこがライト式なのか気付かない和風建築も多いですが、日本において有機的な建物を作るとなるとそうなるんでしょうね。ライト式建築の特徴が具体的に書かれているので解りやすいです。門柱の大谷石を同じサイズで組み合わせていない所が面白くて大好きです。表紙を捲って一枚目の紙が綺麗。2021/08/08
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- 和書
- 生物学と人間 (新版)